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神様とアブラハムの契約


2022年3月6日 メッセージ要約

創世記15章5~21節 *1

 ロトを救出した後、神様は幻のうちにアブラムに臨みます。アブラムは14章の5人の王の報復を恐れていたかもしれません。神様はアブラムを励まします。しかし、アブラムは約束が現実のものとなっていないことを神様に訴えます。すると、5節、神様はアブラムに語られます。「天を見上げ、星を数えよ。あなたの子孫はこのようになる。」と・・アブラムは神様のことばを単純に信じます。その信仰によって、神様はアブラムを「義」と認めます。「義」とは、神の前に正しいと見なされることです。アブラムは、神様を真実なお方であることを確信します。

 

 さらにアブラムは、神様との約束の確認と補償を求めます。私たちには聖書が与えられています。人生の重大な岐路に立つとき「みことば」を求めます。そして、そのみことばが神様からの確証だと信じて前進します。就職を決めるとき、神学院に進む時、結婚に導かれる時、その他、大きな導きを求めるとき、これは、間違いなく神様からのものである、と聖書のことばによって、確信して進むことができます。


 しかし、この時代、アブラムには聖書はありませんでした。ですから、みことばをもって確認することができません。アブラムはこの約束が本当に神様からのものであるか?確かめたいと思いました。

この考えは一見、不信仰のように思えます。あるいは神様を試しているようにも感じます。しかし、これは実はとても大切な信仰の営みです。この確認をすることによって、確信が強くなっていきます。聖書がない、この時代、神様はアブラムに丁寧に対応してくださいました。


 9節、三歳の牝牛と三歳の雄やぎと三歳の雄羊と山鳩とそのひなを持ってくるように命じます。そして、これらを二つに切り裂いて、その半分を互いに向かい合わせにします。これは当時の古代中近東の契約の儀式です。この切り裂かれた動物の間をお互いに通って、もし、この契約を破った時にはこれらの動物のように切り裂かれても、文句なし、というものでした。エレミヤ記34:18,19にも同じ契約のことが書かれています。


つまり、この切り裂かれた動物の間を神様とアブラムが通ることで、神様からのアブラムの祝福は確実になるという、契約です。


 アブラムは神様に言われたとおりにセッティングします。しかし、わし、鷹などが、切り裂かれた牝牛、雄ヤギの肉を狙ってきます。アブラムはそれを払うことに必死でした。11節。そして、待っても待っても神様は現れませんでした。


12節.アブラムは、猛禽と格闘し、疲れ切って眠ってしまいます。そして、出エジプト記までの光景を夢に見ます。13~16節。


 そして、ようやく神様が現れます。「日が沈んで暗くなったとき、見よ、煙の立つかまどと、燃えているたいまつが、切り裂かれた物の間を通り過ぎた。」と。つまり、ここを神様とアブラムが通り過ぎなければなりませんでしたが、通ったのは神様だけでした。


 何を意味しているでしょうか?神様は知っておられました。アブラムはこの契約を守ることができないことを。16章ではイシュマエルが誕生します。もし、アブラムが契約を破れば、アブラムは生きていることができません。ましてや、神様ご自身との契約ですから。神様はこの契約からアブラムを守られました。神様の深い愛とアブラムの弱さを知っている神様の憐れみに聖名を崇めます。


 神様は18節で改めてアブラムとの契約の確かさを伝えます。と共に、アブラムが契約を破った時には、神様ご自身が切り裂かれることも意味していました。十字架の予表と言っても良いと思います。

3月2日から受難節を迎えています。受難節とはイースターの40日前の水曜日から始まります。(ただし、日曜日は復活の喜びの日なので除きます。)この期間は主イエスの十字架を覚えて、断食をしたり、自分の好きな物を絶って祈りの日々を送ることが行われてきました。



      ここからのメッセージ7つ。

① 信仰を全うするのは、自分の力ではできない。

② 私たちの信仰を全うしてくださるのは神様ご自身である。

③ 神様は十字架を通して私たちの契約違反を負ってくださった。

④ 神様は私たちとの契約を決して破棄されない。

⑤ 神様は私たちの弱さを知っておられる。

⑥ 祝福が遅れているように見えても、「焦らない、慌てない、あきらめない」3つの「あ」で忍耐して待ちましょう。

⑦ 祝福よりも十字架の贖いが成されていることに感謝のウェイトを置きましょう。


*1創世記15章5~21節

15:5 そして、彼を外に連れ出して仰せられた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」

15:6 彼は【主】を信じた。主はそれを彼の義と認められた。

15:7 また彼に仰せられた。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した【主】である。」

15:8 彼は申し上げた。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか。」

15:9 すると彼に仰せられた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい。」

15:10 彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった。

15:11 猛禽がその死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。

15:12 日が沈みかかったころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして見よ。ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った。

15:13 そこで、アブラムに仰せがあった。「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。

15:14 しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。

15:15 あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。

15:16 そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」

15:17 さて、日は沈み、暗やみになったとき、そのとき、煙の立つかまどと、燃えているたいまつが、あの切り裂かれたものの間を通り過ぎた。

15:18 その日、【主】はアブラムと契約を結んで仰せられた。「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで。

15:19 ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、

15:20 ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、

15:21 エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を。」

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