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神に出会ったハバクク


2021年11月14日 メッセージ要約


「神に出会ったハバクク」

ハバクク書3章1~19節  *1

 ハバククはヨシヤ王の戦死、さらにバビロン捕囚、ユダの陥落、エルサレムの破壊を経験します。ハバククは神に祈ります。なぜ、悪人が罰せられないのか?なぜ、正しい神は悪が存在するのを赦すのか?と。神様はお答えになります。「この幻は、定めの時について証言し、終わりについて告げ、偽ってはいない。もし遅くなっても、それを待て。必ず来る。遅れることはない。」と。神様は真実であり、預言は必ず成就する。そして遅れることはない、とお答えになりました。

 ハバククは神様が答えてくださったことを、早く実現させてくださいと祈ります。そして、信仰に立ちます。悪は永遠には勝利することはない。主は信じる者を必ず擁護し、そして行動を起こされると。

しかし、3章を見ると、現実はますます厳しくなっていきます。17節までイスラエルの困難に加え作物の不作と家畜の死がイスラエルを襲ったことが書かれています。状況は好転せず、さらに悪化します。

1章で神にのみ集中し祈り、2章では物見やぐらに立つ兵士のように神様の答えを待ち、そして、3章でハバククは祈ります。「しかし、私は主にあって喜び踊り」と。


坂城町出身の水野源三さんは幼い日に障害を負い、人生の大半を小さな世界の中で生きます。源三さんは自分の詩を新聞に雑誌に投稿し続けていました。やがてその作品が榎本保郎牧師の目に留まります。榎本牧師は水野源三さんの詩集に深い信仰の叫びに感動します。そして、詩集などなかなか売れないと止める周りの声にはおかまいなしに出版に向けて走り続け、ついに多くの人に愛される詩集が誕生します。


やがて、手も足も動かすことができない水野源三さんには、詩を書くには欠かすことができないお母様が病で亡くなります。そして、さらには水野源三さんの詩歌集を世に送るのに、祈りを込めて尽力された榎本保郎牧師さえも天に召されるという大きな悲しみの波に襲われます。その際の水野源三さんの詩です。


 主よ みことばをください

 主よ みことばをください

 今日の みことばをください

 そのみことばによって

 試練にも忍ばさせてください


大きな試練を通過したハバククと同様に、水野源三さんも神様のみことば1点に集中します。そして「今日のみことばをください」と神様を待ち望みます。これはまるで、物見やぐらに立ち神様のみことばを待つハバククのようです。さらに「そのみことばによって試練にもしのばさせてください」と源三さんは祈ります。一方、ハバククは

「しかし、私は主にあって喜び踊り、わが救いの神にあって楽しもう。

私の主、神は、私の力。私の足を雌鹿のようにし、私に高いところを歩ませる。」とうたいます。この詩は状況が良くなり、喜び感謝が満ちあふれているという状況ではありません。むしろ、状況は悪化していく中でハバククは詩います。源三さんは「そのみことばによって、試練にも忍ばさせてください」と詩います。

 忍ぶとは辛いことを我慢する、じっとこらえる、耐えるのです。もっと言うならば、辛さの中から逃げないということではないでしょうか?あるいは辛さの中に留まる、もっと言うならば「辛さ」を抱えながら、朝、起き、食事をし、働き、夜はゆっくり休むことです。

それを耐え忍ぶことは非常に辛いことです。さらにはイエス様と共に辛さを抱えたまま、淡々と日常を過ごすことです。聖書を読み、おことばを握り、一日を淡々と過ごす、さらに次の日もおことばを握り、また、淡々と一日を過ごすことです。

水野源三さんの詩です。

  約束されしイエスよ

愛する者失い 悲しむものと共に 涙流されしイェスよ 慰めあたえたまえ

信じるならみ国の 栄光を見られると 約束されしイェスよ 信仰与えたまえ

冷たき墓の中に 葬られしラザロを 生き返されしイェスよ 希望を与えたまえ


  泣かないでください

母をうしなった私のために 泣かないでください もう泣かないでください

心の中は 不思議なくらいに 静かなのです

キリストが 私と共に おられるからでしょうか


「みことばの真理が心にしみて、信仰が新たにされました。脳性麻痺になり、何の希望も喜びもなく、ただ植物のように生きる私でしたが、主イエス様の十字架に顕された真の神様の愛と救いに触れ、喜びと希望を持って生きることができるようになりました。日々主を見上げつつ、この喜びと希望を固く保って行きたい、と願っています。・」と。


ハバククも詩います。

「しかし、私は主にあって喜び踊り、わが救いの神にあって楽しもう。私の主、神は、私の力。私の足を雌鹿のようにし、私に高い所を歩ませる。」


私たちも状況のいかんに拠らず、信仰を固く保ちましょう。心が平安に守られます。

 


*1 ハバクク書 3章1~19節

3:1 預言者ハバククの祈り。シグヨノテに合わせて。

3:2 【主】よ。私はあなたのうわさを聞き、【主】よ、あなたのみわざを恐れました。この年のうちに、それをくり返してください。この年のうちに、それを示してください。激しい怒りのうちにも、あわれみを忘れないでください。

3:3 神はテマンから来られ、聖なる方はパランの山から来られる。セラその尊厳は天をおおい、その賛美は地に満ちている。

3:4 輝きは光のよう。ひらめきはその手から放たれ、そこに力が隠されている。

3:5 その御前を疫病が行き、熱病はそのうしろに従う。

3:6 神は立って、地を測り、見渡して、諸国の民を震え上がらせる。とこしえの山は打ち砕かれ、永遠の丘は低くされる。しかし、その軌道は昔のまま。

3:7 私が見ると、クシャンの天幕は乱れ騒ぎ、ミデヤンの地の幕屋はわなないている。

3:8 【主】よ。川に怒りを燃やされるのですか。あなたの怒りを川に向けられるのですか。それとも、あなたの憤りを海に向けられるのですか。あなたは、馬に乗り、あなたの救いの戦車に乗って来られます。

3:9 あなたの弓はおおいを取り払われ、ことばの杖の誓いが果たされます。セラあなたは地を裂いて川々とされます。

3:10 山々はあなたを見て震え、豪雨は流れ去り、深い淵はその声を出し、その手を高く上げます。

3:11 太陽と月はその住みかにとどまります。あなたの矢の光によって、あなたのきらめく槍の輝きによって、それらは動きます。

3:12 あなたは、憤って、地を行き巡り、怒って、国々を踏みつけられます。

3:13 あなたは、ご自分の民を救うために出て来られ、あなたに油そそがれた者を救うために出て来られます。あなたは、悪者の家の頭を粉々に砕き、足もとから首まで裸にされます。セラ

3:14 あなたは、戦士たちの頭に矢を刺し通されます。彼らは隠れている貧しい者を食い尽くす者のように、私をほしいままに追い散らそうと荒れ狂います。

3:15 あなたは、あなたの馬で海を踏みつけ、大水に、あわを立たせられます。

3:16 私は聞き、私のはらわたはわななき、私のくちびるはその音のために震える。腐れは私の骨のうちに入り、私の足もとはぐらつく。私たちを攻める民に襲いかかる悩みの日を、私は静かに待とう。

3:17 そのとき、いちじくの木は花を咲かせず、ぶどうの木は実をみのらせず、オリーブの木も実りがなく、畑は食物を出さない。羊は囲いから絶え、牛は牛舎にいなくなる。

3:18 しかし、私は【主】にあって喜び勇み、私の救いの神にあって喜ぼう。

3:19 私の主、神は、私の力。私の足を雌鹿のようにし、私に高い所を歩ませる。指揮者のために。弦楽器に合わせて。


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