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神さまの仕切り直し


2022年3月20日 メッセージ要約

創世記17章1~14節、17節 *1

 イシュマエル誕生から13年後、アブラム99歳のとき、神様はアブラムに現れます。おことばをアブラムに語ります。「わたしは全能の神である。」と。ヘブル語の言語で全能の神は「エル・シャダイ」


「エル」とは神を意味します。「シャダイ」は母の母乳という意味があるそうです。皆さんはミルクですか?それとも母乳で育ちましたか?出産後2日~5日に出る母乳のことを初乳と言います。初乳にはたんぱく質、抗体が沢山含まれており、赤ちゃんに必要な栄養と免疫がすべてが満たされています。つまり、エル・シャダイとは人に必要なすべてのものを備えておられる神、という意味です。神様はアブラムに向かって、わたしはあなたが必要なものをすべて持っている神、全能の神である、と、自己紹介をされています。この、神様の自己紹介はヤコブがイスラエルと改名したときにも同でした。創世記35章11節。


 ・・あなたはわたしの前に歩み全きものであれ・・とは、「わたしは全能の神である。あなたに必要なものはすべて備えている神である。だから、あなたは罪を犯さずに完全な者となって歩め・・」ととることもできます。しかし、ここでいう、全き者とは、行いの完全ではありません。それは、「神様に完全に依存する」です。


 16章でアブラムはサライの言葉に従いました。神様のお考えを伺い、そのお考えに依存するのではなく、サライの声に依存していました。神様は、こう、おっしゃいます。「わたしはあなたの必要を全部備えている神である。だから、わたしに完全に依存せよ。」と。


 神様はイシュマエルの誕生から13年後、もう一度、アブラムとの関係の仕切り直しをされます。仕切り直しとは相撲の立ち合いで,両力士の呼吸が合わない時に,仕切りをやり直すことです。つまり、物事を最初からやり直すことです。しかし、神様は16章までのことを後和算にしたのではありません。イシュマエルとハガルをもアブラムの子として、とても大切に扱っておられます。そして、イシュマエルにも大きな祝福を与えておられます。


 しかし、神様とアブラムの本契約はアブラムが考えているものとは違うものでした。もう一度、神様の方からアブラムに現れてくださって、さあ、仕切り直しをしようとおっしゃってくださったのが、17章の1節です。「わたしはあなたの必要をすべて備えている全能の神である。もう一度、わたしにだけ、依存せよ。」が「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、全きものであれ。」です。


 コロナ禍の中、3年目に入りました。最初はとても、恐ろしくて外を歩くことも怖い感じがしました。礼拝もオンラインと会堂のハイブリッドになっています。私たちはここまで、第1波~第6波まで経験してきました。昨年は、マルコの福音書5章36節「恐れないで、ただ信じていなさい」と神様にすがった一年でした。今年は、コロナ禍の中にある私たち、一人、一人に、上田教会に神様は語ってくださいます。「わたしはあなたの必要をすべて備えている神である(エル・シャダイ)だから、もう一度、わたしにだけ依存せよ。」と語ってくださっています。


 また、ここで、アブラムはアブラハムと改名されます。聖書では改名はしばしば、名のつけられる人物が何らかの意味で著しく変化したことを表します。いよいよ、イサクの誕生という新しい局面に入ります。本格的に神様の御業の始まりです。アブラムとは、高貴な父という意味です。アブラハムは多くの父です。聖書はこの後、アブラムをアブラハムと呼びます。


 ここから、イスラエル民族の歴史が本格的にスタートします。そして、神様は人類すべての救いのために、イスラエル民族をお用いになります。イエス様がユダヤ人として到来され、神様の約束の成就まで神様の計画はようやくスタートしました。アブラハムは全世界が祝福される基となりました。ここから、旧約聖書は新しいスタートを切ったと言っても過言ではありません。アブラハム99歳でした。99歳からの新しいスタートです。皆さんは、何歳ですか?まだまだ、新しいスタートが切れます。


 新しい契約のスタートをするために、神様がアブラハムに要求したことはたった一つでした。2節「わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。・・・」4節「あなたと結ぶわたしの契約である。」7節「わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に…立てる。」

神様との個人的な関係性です。つまり、神様とアブラハムの間には、妻であるサラすらも入れません。一方、神様とサラのあいだに、夫であってもアブラハムは入れません。サライもサラと改名されます。


これは、神様の一番最初にアブラハムに語りかけたおことばと同じです。12章2節「そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。」です。アブラハムは多くの国民を見ることはありませんでした。しかし、その祝福は多くの国民にあるのではなくて、神様との個人的な関係性にあります。この時、アブラハムは75歳。99歳まで、24年間いろいろありました。勇敢にロトを救い、財産を増やし、ウルから出発した時よりも多くの人を抱えるようになりました。多くの失敗もありました。しかし、神様は一貫してアブラハムに対する信頼は最初から大きいものでした。


 まだ、まだ、現在の状況もはっきりしません。コロナ禍も改善していくのか、そうでないのか分かりません。しかし、このおことばが教会に与えられたということは、ここから、上田教会がまた、皆さんお一人、お一人が信仰を新たにすることで祝福の基となり、祝福の始まりとなります。


 私たちも神様との新しい契約を結びましょう。

① 神様と自分だけの関係を構築しましょう。

② 神様は私たちの必要を知っておられ、なおかつ備えておられる。

③ 神様だけに依存する関係は祝福の基となる。



*1 創世記17章1~14節、17節

17:1 アブラムが九十九歳になったとき【主】はアブラムに現れ、こう仰せられた。「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。

17:2 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。わたしは、あなたをおびただしくふやそう。」

17:3 アブラムは、ひれ伏した。神は彼に告げて仰せられた。

17:4 「わたしは、この、わたしの契約をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。

17:5 あなたの名は、もう、アブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハムとなる。わたしが、あなたを多くの国民の父とするからである。

17:6 わたしは、あなたの子孫をおびただしくふやし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。

17:7 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神、あなたの後の子孫の神となるためである。

17:8 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」

17:9 ついで、神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約を守らなければならない。

17:10 次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。

17:11 あなたがたは、あなたがたの包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたの間の契約のしるしである。

17:12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。

17:13 あなたの家で生まれたしもべも、あなたが金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉の上にしるされなければならない。

17:14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」


17:27 彼の家の男たち、すなわち、家で生まれた奴隷、外国人から金で買い取った者もみな、彼といっしょに割礼を受けた。


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