2つの裁判


2022年4月10日 メッセージ要約

マタイの福音書26章57~75節 *1

 今日は棕櫚の主日です。今日から受難週が始まります。イエス様は子どものロバに乗りエルサレムに入場します。人々は「ホサナ・ホサナ」と讃美します。しかし、その5日後同じ人々がイエス様を「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫びます。人の罪深さのためにイエス様の受難があります。そして、その受難のゆえに今の私、みなさんがあります。救われたことを心一杯感謝しましょう。

 

今日の聖書個所には2つの裁判が記されています。一つは大祭司の中庭。そして、もう一つは大祭司の家の外の中庭。大祭司の中庭の裁判はイエス様。そして大祭司の家の外の中庭にではペテロの裁判が行われていました。

 

 イエス様は大祭司に尋問されます。63節「・・お前は神の子キリストなのか、答えよ。」と。この尋問にどのように答えるかでイエス様の十字架刑か無罪かが決まります。イエス様は64節「あなたが言った通りです。」と答えます。この応答の結果、イエス様は十字架にひかれて行きます。


 一方、ペテロは召使の女に「あなたもガリラヤ人イエスと一緒にいましたね。」と尋問されます。ペテロは答えます70節「何を言っているのか、私には分からない」と。イエス様と一緒にいたことを否定します。さらに71節、別の召使の女がペテロに尋問します。「この人はナザレ人イエスと一緒にいました。ペテロは再び、否定します。さらに、立っていた人たちがペテロに近寄ってきて3回目の尋問をします。「確かに、あなたもあの人たちの仲間だ。ことばのなまりで分かる。」と。今度はペテロは嘘ならのろわれてもよいと誓い始めました。するとすぐに鶏が鳴きました。ペテロは、「鶏が鳴く前に、あなたは3度わたしを知らないと言います」とのイエス様のおことばを思い出して外に出て行って激しく泣きました。


 イエス様は正直に「わたしはキリストです」とお答えになって、十字架に向かわれました。一方、ペテロは「そんな人は知らない」とうそをついて、十字架を免れます。正直に答えて十字架に向かい、嘘をついて十字架を逃れる。嘘をつくことが正しく、正直な者が悪者になります。なんという現実でしょうか?


 私は看護師時代に大きな医療ミスを犯してしまいました。面会時間に家族がやってきました。お詫びをしに行こうとした時、当時の主任が私を抑えて主任自身が家族の前に行き、深々と頭を下げました。

家族は当然激怒します。主任は何も言わずにただ、ただ「すみませんでした」と言うだけでした。その間10分間です。私は大きな傷を負って寮に帰りました。すると、寮の入り口に上ずしの折りが入り口に置いてありました。主任からの差し入れでした。私はそれを泣きながら食べました。


 悪い人間が何もしていないとその場から逃れ、何も悪いことをしていない人がひたすら頭を下げる。


ペテロはイエス様を否定してから、約30年後ペテロの手紙を書きます。ペテロの手紙第Ⅰ2章19,20節にこのようなことばがあります。「もしだれかが不当な苦しみを受けながら、神の御前における良心のゆえに悲しみに耐えるなら、それは神に喜ばれることです。罪を犯して打ちたたかれ、それを耐え忍んでも、何の誉れになるでしょう。しかし、善を行って苦しみを受け、それを耐え忍ぶなら、それは神の御前に喜ばれることです。このためにこそ、あなたがたは召されました。・・と。


イエス様を他人の前で否定し、大泣きをしたペテロが30年後、、ご自身を神の御子とはっきりと告白したイエス様を思い出してこの聖書の箇所を書いたように思います。


さらに、イエス様は驚くべきことにこの事件を予告してペテロに語っていました。ルカの福音書22章31、32節「シモン、シモン、見なさい。サタンがあなたを麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」と。ペテロは30年前のイエス様の法廷での姿が忘れられませんでした。やがてペテロもイエス様と同じ道を歩みます。イエス様はわたしたちの弱さをご存知です。私たちが自分を知る以上に私たちを良く知っていてくださいます。


ここからのメッセージ


① イエス様は正直に答えて十字架に向かわれた。私たち人はうそをついて十字架から逃れようとする。しかし、救われたのは私たちでした。罪からの解放・永遠のいのちの恵み・イエス様に感謝をお捧げしましょう。受難週の間、毎日イエス様に感謝をお捧げしましょう。

② 十字架を前にすると、私たちの弱さが露骨に現れます。しかし、神様は私たちの弱さを十分に知ってくださるお方です。

そのことを覚えて、失敗をすることがあっても前進いたしましょう。

③ 私たちの罪の贖い、きよめの恵みはイエス様の受難の上にある事を告白し続けましょう。



*1 マタイの福音書 26章57~75節

26:57 イエスをつかまえた人たちは、イエスを大祭司カヤパのところへ連れて行った。そこには、律法学者、長老たちが集まっていた。

26:58 しかし、ペテロも遠くからイエスのあとをつけながら、大祭司の中庭まで入って行き、成り行きを見ようと役人たちといっしょにすわった。

26:59 さて、祭司長たちと全議会は、イエスを死刑にするために、イエスを訴える偽証を求めていた。

26:60 偽証者がたくさん出て来たが、証拠はつかめなかった。しかし、最後にふたりの者が進み出て、

26:61 言った。「この人は、『わたしは神の神殿をこわして、それを三日のうちに建て直せる』と言いました。」

26:62 そこで、大祭司は立ち上がってイエスに言った。「何も答えないのですか。この人たちが、あなたに不利な証言をしていますが、これはどうなのですか。」

26:63 しかし、イエスは黙っておられた。それで、大祭司はイエスに言った。「私は、生ける神によって、あなたに命じます。あなたは神の子キリストなのか、どうか。その答えを言いなさい。」

26:64 イエスは彼に言われた。「あなたの言うとおりです。なお、あなたがたに言っておきますが、今からのち、人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見ることになります。」

26:65 すると、大祭司は、自分の衣を引き裂いて言った。「神への冒涜だ。これでもまだ、証人が必要でしょうか。あなたがたは、今、神をけがすことばを聞いたのです。

26:66 どう考えますか。」彼らは答えて、「彼は死刑に当たる」と言った。

26:67 そうして、彼らはイエスの顔につばきをかけ、こぶしでなぐりつけ、また、他の者たちは、イエスを平手で打って、

26:68 こう言った。「当ててみろ。キリスト。あなたを打ったのはだれか。」

26:69 ペテロが外の中庭にすわっていると、女中のひとりが来て言った。「あなたも、ガリラヤ人イエスといっしょにいましたね。」

26:70 しかし、ペテロはみなの前でそれを打ち消して、「何を言っているのか、私にはわからない」と言った。

26:71 そして、ペテロが入口まで出て行くと、ほかの女中が、彼を見て、そこにいる人々に言った。「この人はナザレ人イエスといっしょでした。」

26:72 それで、ペテロは、またもそれを打ち消し、誓って、「そんな人は知らない」と言った。

26:73 しばらくすると、そのあたりに立っている人々がペテロに近寄って来て、「確かに、あなたもあの仲間だ。ことばのなまりではっきりわかる」と言った。

26:74 すると彼は、「そんな人は知らない」と言って、のろいをかけて誓い始めた。するとすぐに、鶏が鳴いた。

26:75 そこでペテロは、「鶏が鳴く前に三度、あなたは、わたしを知らないと言います」とイエスの言われたあのことばを思い出した。そうして、彼は出て行って、激しく泣いた。



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