イエス・キリストを告白する霊
2021年6月6日
ヨハネの手紙第1 4章1~6節 *1
先週、ある方が教会に来られました。5月の4日にお父様が召天されて、その方は無宗教ですが、月命日でお祈りを捧げたいとのことでした。天に帰られたお父様を慕い教会を訪ねて来られました。そして、聖書を開いて天国の事をお話しすると「安心しました。」と言われました。
「安心する」材料はたくさんあります。食べ物がある、住む家がある、仕事がある、治安が良い日本にいる、等々。しかし、目に見えない天国のことを聞いただけで安心します。何故でしょうか?
マタイの福音書6章25節~34節(*2)を読んでみましょう。ここでは目に見える物と目に見えない物が対比されています。食べ物、飲み物、着る物、は目に見える物。そして、自分のいのち、神、天の父は目には見えません。
今日のメッセージはイエス・キリストを告白する口、でもなければ、声でもありません。「霊」です。
天国の話を聞いた方が安定したのはどこでしょうか?「血圧」でしょうか「血糖値」でしょうか。それとも、「感情」でしょうか。「心」でしょうか。
この方が安定したのは「霊」です。お父様が天に帰られて、「死」とは何か、「天国」とはどこか、父親は一体どこに行ったのか、と心配になり「霊」が不安定になりました。そこで、聖書を開いて、一緒にお祈りをしたら、表情がガラッと変わって穏やかになりました。これは、何を意味するでしょうか?それは、この方に「霊」が存在しているからです。「霊」が聖書とイエス様によって、安定したことを意味します。
今、コロナ禍の中、ワクチン接種が始まりました。このペースで行くと、冬のみぎわさんのコンサートには人をお招きすることが出来るかもしれません。本当に良かったと思います。でも、まだ分かりません。不安定です。さらに、コロナにばかり目を取られていると、もっと重大なことを忘れてしまいます。例えば、南海トラフ等の大きな地震、世界に目を向けますと中国、アメリカのような大国の軍事、経済摩擦、私たちの国の経済の不安定さ、将来の不安、家庭の問題、仕事の課題、教会の将来・・・いずれも不安定です。「揺れ動く時代」といえます。
「揺れ動く時代」なので、人々は「揺れ動かない、安定」を求めます。目に見える世界が不安定になりますと、目に見えない安定した霊の世界に人々は安定を求めます。ですからカルト宗教に簡単にはまります。私たちも例外ではありません。私も思春期の不安定な時代に手相を見てもらったことがあります。「何歳で、こうなるでしょう。」「何歳になったら注意してください。」「家族や周りの人を大切にしてください」と言われそれをそのまま信じました。どうしてでしょうか。自分自身が不安定なので、霊的な見えない世界の安定が欲しいのです。
ですから、ヨハネは警告します。1節「・・霊をすべて信じてはいけません。・・」と。「今すでに世に来ている」と。
このヨハネ手の手紙第Ⅰが書かれた時代は、クリスチャンの迫害が厳しい時代でした。さらに、多くのクリスチャンが、目で見て分かりやすいグノーシス主義に入っていきました。いつ、いのちを落とすか分からない不安定な境遇の中、イエスキリスト以外の霊に引っ張られていきます。
ヨハネは「揺れ動く時代」にあって、イエス様を信じている現代の私たちに向けて励ましを与えます。「あなたがたは神から出たものだ」と。
さらに、「彼らに勝ちました。」と。コリント人への手紙第Ⅱ4章7節~11節に記されています。苦しいことが起こり、弱り、倒され、迫害されますが、窮せず、強められ、起き上がり、見捨てられません。それは、「イエスキリストを告白する霊」が私たちの中にあるからです。
さらにその霊は「真理」と「偽り」を見分けることが出来ます。
すべて「イエス・キリストを告白する霊」によってです。
今は「揺れ動く時代」であり、多くの人々が「イエス・キリスト以外の霊」を信じ、なんとか、霊の安定を得ようとします。その波は教会にも押し寄せています。ですから、私たちはしっかりと土台を据えないと流されていきます。では、どのようにして、しっかりとした土台をすえれば良いでしょうか。
消極的な意味で注意すべきことと積極的に注意すべきことがあります。
消極的な意味としては、ガラテヤ書5章19~21を避けます。
「淫らな行い、汚れ、好色、偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、ねたみ、泥酔、遊興、」
積極的な意味としてはどんどん心がけ実行していきます。 ガラテヤ書5章22,23節
「愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制」です。
私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。
私たちはみな、「イエスキリストを告白する霊」を持っています。そして、勝利が約束され、神から出たものであることが証しされています。そして、不安定な「揺れ動く時代」にあって、「様々な霊がはびこる中」「真理」を見分けることが出来ます。
この「イエスキリストを告白する霊」を強くし土台をしっかりさせるために御霊によって進み、肉の行いを避けるならば、この霊は強くなっていきます。
神様の憐れみをいただいて、「揺れ動く時代」を生き抜きましょう。
*1 ヨハネの手紙第1 4章1~6節
4:1 愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです。
4:2 人となって来たイエス・キリストを告白する霊はみな、神からのものです。それによって神からの霊を知りなさい。
4:3 イエスを告白しない霊はどれ一つとして神から出たものではありません。それは反キリストの霊です。あなたがたはそれが来ることを聞いていたのですが、今それが世に来ているのです。
4:4 子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。あなたがたのうちにおられる方が、この世のうちにいる、あの者よりも力があるからです。
4:5 彼らはこの世の者です。ですから、この世のことばを語り、この世もまた彼らの言うことに耳を傾けます。
4:6 私たちは神から出た者です。神を知っている者は、私たちの言うことに耳を傾け、神から出ていない者は、私たちの言うことに耳を貸しません。私たちはこれで真理の霊と偽りの霊とを見分けます。
*2 マタイの福音書 6章25~34節
6:25 だから、わたしはあなたがたに言います。自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりたいせつなものではありませんか。
6:26 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。
6:27 あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。
6:28 なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。
6:29 しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。
6:30 きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信仰の薄い人たち。
6:31 そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。
6:32 こういうものはみな、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。
6:33 だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。
6:34 だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。
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